【シドニー時事】反捕鯨国オーストラリアのフライデンバーグ環境相は政府系研究所の連邦科学産業研究機構(CSIRO)に対し、海岸でのサメ遭遇事故増加と鯨の生息数増加に因果関係がないか調査するよう指示した。 オーストラリアン紙が2日までに報じた。 環境相は西オーストラリア州で、サーフィン中にサメに襲われて死亡した若者の近親者と面会し、対策強化を約束した。同州内だけでも、2000年以降に15人が犠牲になっている。 サメの襲撃が増えたのは、沿岸で鯨が増え過ぎた結果、鯨を補食するホホジロザメも集まってきたのが一因との指摘があるという。厳格な鯨保護で生息数が増えたことが襲撃増加の遠因になった可能性があるようだ。 対策として、「ホホジロザメを保護対象から外し、捕獲すべきだ」という声もある。豪州は鯨保護に熱心だが、生息数を調整するためとして、カンガルーやコアラの殺処分は行っている。