本書はがん患者さんの分だけを作りやすいよう、材料を原則として1人分で表記しています。ただ、1人分の調理はむずかしく、むだも多くなりがちです。 手間も食材もできるだけむだにしないよう、食事作りの負担を軽くするためのコツやくふうを紹介します。 1. なべは小さく、フライパンは大きく 1人分で作りにくい料理の筆頭は煮物や汁物です。1人分でも4人分でも火が通る時間は変わらないので、加熱中に蒸発する水分が1人分のほうが多くなり、食品に火が通る前に汁けが足りなくなったり、味が濃くなったりするからです。これを防ぐには、小さいなべを使うこと。汁物用は直径10~12cmの深めのものを用意します。煮物用はひとまわり大きい直径15cmくらいの浅いものを選びます。 ボールも直径7~8cmくらいの小さいものが2~3個あると、調味料を合わせたり、あえ物などに便利です。 フライパンは逆に大きいほうが便利。小さいフライパ