東芝は、電力のオンとオフが切り替わる際の電力損失を最大で従来比40・5%低減できるパワー半導体を開発した。再生可能エネルギーシステムや電気自動車(EV)、鉄道、産業機器などに搭載される電力変換器を高効率化できる。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)社会の実現に貢献する。 東芝が開発したのは、パワー半導体の一種である「IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)」。ゲート電極を三つ持つ新構造を採用したほか、スイッチのオン・オフを高精度に切り替える制御技術を開発。これにより、従来のIGBTと比べて、スイッチを入れた際に50%、切る際に28%(全体で最大40・5%)電力損失を低減した。 従来のIGBTは、スイッチオン状態の際に発生する「導通損失」を低減すると、オン・オフ切り替え時に発生する「スイッチング損失」が増えてしまうトレードオフの関係にあり、課題となっていた。新構造の採用など