基幹系システムの刷新プロジェクトは失敗したほうがよいのかもしれない――。こう書くと、この「極言暴論」が大嫌いにもかかわらず、なぜか毎回熱心に読んでくれる一群の読者から「いよいよネタに困ったらしく、木村が妙なことを言い出したぞ」と嘲笑されそうだ。だが、決して妙なことではないぞ。リアルな現実を踏まえた結論である。 この10年ほど、様々な日本企業の経営者やCIO(最高情報責任者)に話を聞く機会があった。その中で、完遂したはずの基幹系システムの刷新について反省や後悔の弁を述べる人が結構いたのだ。面白い(本当は面白くないが)ことに、その内容は驚くほど似通っていた。恐らく極言暴論の熱心な読者なら想像がつくと思うが、いかがか。 例えば基幹系システムにERP(統合基幹業務システム)を導入した大手製造業の経営者は、「うちの業務のやり方にソフトウエアを合わせてしまった。もっと現場の業務を整流化(=標準化、パタ