ジャニーズ事務所を巡る性加害問題を取り上げたことで、にわかに注目を集めた国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会。ただ、調査の目的は、ジャニーズ問題だけではなかった。12日間の調査をまとめた訪日ミッション終了ステートメント(声明)を読むと、人権侵害の観点から、日本国内のさまざまな分野に重い課題を突きつけていた。
※以下、結末までのネタバレを含みます。 『女の平和』が実現するバービーランドグレタ・ガーウィグ監督の最新作『バービー』は、おもちゃが主人公の子ども向けファンタジー映画とは思えないような実存的テーマを扱った作品である。ヴィジュアルはピンクを基調としたポップなものだが、聖書や古代ギリシア喜劇、メアリ・シェリーのゴシックホラー小説『フランケンシュタイン』(1818)などにさかのぼる哲学的課題を扱ってもいる。過去のSFやファンタジー、ホラーなどを消化しつつ、そこに現代的なフェミニズムなどの視点を加えた作家性の強い作品だ。 ヒロインである定番バービー(マーゴット・ロビー)は、マテル社が出している他のいろいろな種類のバービーたちと一緒にバービーランドに住んでいる(登場人物の大半がバービーかケンなので、これ以降、便宜的にヒロインは定番バービーと呼ぶことにする)。バービーランドはいわゆる典型的に「ガーリー
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