昨年2月に死亡した兵庫県西宮市の70歳代の男性の遺族から、同市消防局宛てに1億円の寄付があったことがわかった。 男性は死の1年前、救急車で病院に運ばれて命を救われたことに感謝し、「消防や救急車両整備のために役立ててほしい」と遺言書に記していたという。同局はこの1億円を新年度一般会計予算に組み込み、消防車両やAED(自動体外式除細動器)の購入に充てる。 同局によると、男性は2010年2月に心筋梗塞で倒れた際、市消防局の救急車で病院に搬送され、助かっていた。男性の死後の昨年11月、長男が市役所を訪れ、「お世話になりました」と礼を述べた上で、男性の遺言書に基づき、匿名で1億円の寄付を申し出た。 同局の眞武(またけ)繁俊・企画課長は「消防局に個人からこれだけ多額の寄付がされたのは初めてだろう。感謝され、消防職員たちの励みにもなる」と話していた。