私たちは「自分のやりたいこと」をはっきりさせ、それに向かって突き進むことをよしとする社会に生きています。それが大変に素晴らしいことと思うのですが、「やりたいこと奨励社会の難しさ」は、そんなに簡単にやりたいことが見つからないということに尽きるでしょう。 それには色んな理由があると思いますが、私がここであげたいのは、「選択肢がたくさんあるから」でも、「みんな失敗を恐れるから」でもありません。 そうではなく、私がここで強調したいことは「やりたい」ことと、「やりたいと思わされている」ことの分離の難しさにあります。 私たちが日常生活でする多くのことは「やりたい」というより「やりたいと思わされている」ことの方が多く、そこから純粋に「やりたいこと」を取り出すのは至難の技なのです。 女性とあぐら 例をあげましょう。たとえば日本の女性は、人前であぐらをかくことはあまりありません。もちろん公園の芝生で友達と音
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