油(脂質)は、肥満や生活習慣病を招くとして敬遠されがちです。しかし、脂質は、生命活動を維持するうえで欠かせない三大栄養素のひとつで、全身の細胞の細胞膜や、遺伝情報を担うDNA(デオキシリボ核酸)の材料となります。 脳の神経細胞の細胞膜をつくっているのも脂質です。これらの細胞が、加齢などで傷ついたときに、修復する働きも担います。 つまり、脳の神経細胞を守り、認知症を防ぐためにも脂質は欠かせないのです。 ただし、とり方には注意が必要です。脂質にはいくつかの種類があり、動脈硬化や生活習慣病の原因となって認知症のリスクを高めるものと、血管を健康に保って認知症を遠ざけるものがあります。 前者の油も、適量であれば、体内で細胞膜の材料になるなど、よい 働きをするので、摂取量を極端に制限する必要はありません。どちらかだけに偏らないよう、油の種類に気をつけましょう。 とりすぎると動脈硬化や生活習慣病を招いて