警察は飲んだくれをまともな人間にするために、誓約書を書かせる。こうして行動を形に残すわけである。だが学者はこのやり方を信用しない。習慣や悪行はもともと決定づけられ、しっかり根を下ろしている、と彼らは言う。そして物質の知識に基づいて理論を展開し、鉄や硫黄が固有の性質を持つように、人間もあらかじめ行動特性が決まっていると言いたがる。だが私はそうは思わない。鉄は、鍛えられたり延ばされたりするためにその性質を備えているわけではないし、硫黄も、火薬や弾薬にされるためにその性質を備えているわけではなかろう。人間の善行も悪行も、本来的な性質に由来するのではないと考えたい。 人が酔っぱらいたくなるのはよくわかる。飲みたくなるのは習慣なのであって、いつも飲むから飲む、飲めばまた飲みたくなる、という具合で理性を失ってしまう。だが飲みたくなる最初の理由は瑣末なことなのだから、そこで酒を断つと決心すれば、やめられ