石蔵文信氏は1955年生まれで、団塊世代の下の世代にあたる。循環器系の専門医として救急医療の現場に勤務していた経歴の持ち主だ。定年退職をした夫のうつが妻のうつを引き起こす「夫源病」という言葉の生みの親でもある。そんな石蔵氏は、昨今の高齢者救急医療のあり方や死に対する我々の考え方に警鐘を鳴らす。そして、“多くの年金をもらえることが幸せだ”という価値観に疑問を投げかける、氏の真意とは? 文責/みんなの介護 高齢者の救急医療の現実。無理な医療措置を行うことは果たしていいのだろうか みんなの介護 石蔵先生は医師としてご活躍され、著書もたくさん出されています。現在の介護業界や高齢者医療について、問題と思われることはありますか? 石蔵 今の介護って、何かあればすぐお医者さんに、という傾向があるでしょう。でもそれでは医療費がいくらあっても足りません。超高齢者は、何かあったらそれが天寿と思った方が良いかも