いっこうに衰える気配のない医学部人気。医師不足を受けてたびたび定員増が行われてきたが、入試難度は高止まり。2浪、3浪も当たり前になっている。医学部予備校「The Independent」の河本敏浩代表は、人気の過熱には「報酬と称賛の安定性」「地域要因」「昨今のキャリア教育」という3つの要因が存在すると分析する――。 勉学努力へのリターンが圧倒的に安定 医学部熱が高まっている。なぜ子供たちは医師になりたがるのか。高校生・受験生の内面を推測するに、医師に対する就業欲求が生じる3つの要因が存在する。 第1点目は、報酬と称賛の絶対的安定性である。いくら医師が激務と言っても、働く場所や環境を調整すれば、納得できる報酬を得ることが、他の職業に比べて圧倒的に容易である。この点は、子供とは言っても高校生受験生も理解できている。しかし報酬面の安定性と並んで、あるいはそれ以上に、医師という職業によって得られる