俺は嫌だった。だって小学3年生の女の子を連れてる33歳のおっさんなんて完全に不審者じゃん。警察沙汰になる可能性すらある。 そもそも俺はそば屋が大嫌いなんだよ。そばじゃなくて、そば屋が嫌いなの。 でも妹がどうしても急用があるし、この日にざるそばを食べるって約束しちゃったから、とか言って姪を押し付けられた。 しゃーないから車に乗ってそこそこ高めの蕎麦屋に向かった。姪はキラキラした目で街を見て「ざるそば!ざるそば!」と連呼していた。 ここで釘を刺しておこうと思って、俺は言った。 「俺はな、そばは好きだけどそば屋は大嫌いなんだよ」 姪は不思議そうな顔をして俺のことを見つめてこう言った「なんで?」 「大人になると色々嫌な思い出が積もるからね」 この文章を読んでいるのは大人だろうから言っておくと、俺の5年付き合っていた元カノはそば屋勤務だった。ある日突然振られてそのまま音信不通。それから俺はそば屋を見