文:篠原諄也 写真:斉藤順子 北村紗衣(きたむら・さえ)武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授 1983年、北海道士別市生まれ。専門はシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史。東京大学の表象文化論にて学士号・修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士号取得。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち──近世の観劇と読書』 (白水社、2018)、訳書にキャトリン・モラン『女になる方法──ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』(青土社、2018)など。 傑作とされる古典がつまらなかった ――フェミニスト批評とは何でしょう? フェミニスト批評はこれまでの批評が実は男子文化だったことに立脚しています。つまり、批評の歴史を振り返ると、男性中心的な社会の中で、男性向けに作られたものを男性の視点で読む。それが普遍的な解釈だとされてきました。 日本の近代文学もそうで、たとえ