平成最後のハロウィン当日。 渋谷の街に、ひとつの魔境が顕現した。 場所は渋谷駅近くのイベントスペース。集まったのは約80人の男たち。年齢は20~30代が多いように見える。数えられるほどの女性も中にはいたものの、パッと見るかぎりでは男ばかりの空間が広がっていた。 それは、とある「ナイトクラブ」を称するイベント。 フロアには音楽が流れ、控えめながら体を揺らしている人も目に入るなど、たしかに一見すると “クラブ” のよう。しかしステージ上にDJの姿はなく、そこには3枚のモニターが鎮座するだけ。ステージの前には観客用の椅子がいくらか用意されており、その後方では立ち見の男たちが開演を今か今かと待ち構えていた。 独特な空気が漂う場内で、時計の針が午後3時を指し示した頃。ややあって登壇した司会の呼びかけに答えるように、ステージ上のモニターに3人の “女の子” が映し出された。 ──途端に、場内に歓声が響