コラムニストという職業はいかなるものなのか、キャリアのある書き手2人が語る。かつての出版状況を振り返ると、今と何が変化したのかも見えてくる――。 (『中央公論』2022年1月号より抜粋) 物書き事始め ーーお二人がコラムニストになった経緯を教えていただけますか。 小田嶋 私はテクニカルライターが入り口でした。1982~83年頃の話で、当時は「マイコン」と呼ばれていたパソコンのマニュアルを書く仕事です。普通のライターとして『噂の眞相』で連載を持つようになったのは80年代後半からで、あの雑誌は、ギャラがすばらしいわけではなかったけれど、業界での認知度が高かった。そこから週刊誌、月刊誌の依頼が来るようになって、その際にテクニカルライターと言うと、周囲が「ピコピコする人?」と不思議そうな反応をするので、自分で勝手に「コラムニスト」と名乗るようになりました。 オバタ 『噂の眞相』では、ナンシー関がテ