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ブックマーク / note.com/kyslog (10)

  • 「女性の社会進出のためには女性にケア労働をさせる必要がある」パラドックス|ショーンKY

    フォロワーの方はご存知と思うが、筆者は女性の社会進出のために何が必要かというテーマでこの1年ほど書き続けている。その中で一つ気になっているのは、社会進出する女性はしばしば女性のケア労働を求め、ジェンダー分業を固定化させてしまうというパラドックスの存在である。この項では、それについて簡単に説明する。 男性の育児は忌避される一番大きな問題は、女性は男性の育児参加に強い忌避感を持っているということである。近年は保育園不足・保育士不足が叫ばれることが多いが、その中で、いくら保育士不足でも男性保育士に預けるのは絶対に嫌、という意見がメディアをにぎわせたことがあった。女性の大半が異存なく認めることができる男性の育児参加は《自分の配偶者が自分の子を育児する場合》に限られている、というのが現状である。 言い方を変えれば、女性自身が育児・ケア労働は女性が担うべきと考えている、ということである。このことは、ジ

    「女性の社会進出のためには女性にケア労働をさせる必要がある」パラドックス|ショーンKY
  • 大量検査で行動制限から逃げ切ろうとした結末 / 結果が出ている早期限定ロックダウン路線|ショーンKY

    新型コロナウイルス感染症COVID-19についての情報をお求めの方は、厚生労働省の情報ページか専門家の情報をフォローしてください。私は専門家を紹介する立場にはありませんが、個人的なフォロー推奨リストを参考にしていただけますと幸いです。 筆者は医療や行政法の専門家ではありません。単なる素人の感想なので医療情報としての信頼は置かないでください。基的に自分が納得するためだけに書いたものであり、他者を納得させるために書いたものではありません。 この冬、イギリスは新型コロナウイルスの(当国における)第三波に見舞われている。他の国と同様、感染者数だけで見るとこの第三波が最も大きくなっている。イギリスは人口当たりの被害が世界で最も高い国になりつつある。 さて、そのイギリスは夏ごろ「大量検査が根絶の鍵」として位置づけ検査能力を大増強していたことはご存じだろうか。 ジョンソン首相は大量検査の実施を「最優先

    大量検査で行動制限から逃げ切ろうとした結末 / 結果が出ている早期限定ロックダウン路線|ショーンKY
  • ニューヨーク・タイムズを読めば、弱者のトランプ支持の話もアイデンティティ・ポリティクスの限界論も載ってるよ|ショーンKY

    ニューヨーク・タイムズを読めば、弱者のトランプ支持の話もアイデンティティ・ポリティクスの限界論も載ってるよ 前回記事の最後に「アイデンティティ・ポリティクスは限界では」と書いたところ、その部分に出典が付いていない、というようなお話をいただいた。というわけで、そういう論調は米民主党内や支持層からも出てるよということを、代表的左派高級紙であるニューヨーク・タイムズの記事を中心に紹介したいと思う。 「弱者の支持を高めたトランプ」という世論調査 今回の米国大統領選では民主党のバイデンが勝利したが、アメリカの民主党支持メディアを見る限り、民主党側に完全勝利というムードはなく、民主党内の議論を見る限り一定の打撃を受けたという印象すら受ける。民主党支持の高級紙の代表格であるニューヨーク・タイムズを読んだところでは、以下の結果がムードに影響している。 1. 民主党は下院で議席増を見込まれながら、結果として

    ニューヨーク・タイムズを読めば、弱者のトランプ支持の話もアイデンティティ・ポリティクスの限界論も載ってるよ|ショーンKY
  • アメリカの格差と分断の背景にある自治体内での福祉予算循環|ショーンKY

    この数日アメリカで人種問題が激しいデモとして表出している。この問題が起きる原因について、畠山勝太氏の下記のエントリが「もっとも深堀りしている」というのが私の見立てである。このような良質な言説がnoteでしか共有されないというのは私も悲しむところである。 上記エントリでは、「なぜ人種別に住むところが分かれ、教育や治安が悪化するのか」についての説明は、固定資産税が教育予算となる事を氏の過去の記事で説明済みという前提でややあっさりめに下記のように説明されている。 土地と教育予算の結びつきを始めとする、教育システム内に張り巡らされてしまった人種間格差を維持・拡張してしまう仕組みを徹底的に取り除く必要があります記事では、畠山氏の記事で説明される「土地と教育予算の結びつき」――あるいは堂かおる氏の記事におけるsystemic racism=構造に内在された人種差別――について、より一般論に近い立場

    アメリカの格差と分断の背景にある自治体内での福祉予算循環|ショーンKY
  • ドイツのコロナ対策班がクラスター対策の重要性を訴え始めた|ショーンKY

    ドイツ新型コロナ対策チームの中心人物の一人、ウイルス学者のクリスティアン・ドロステン氏は、この数日スーパースプレッダーの存在に着目した見解を出している。この発言の背景になっているのは、スーパースプレッダーについて論じた最近のいくつかの研究である。これらの研究については、Science誌のドイツ特派員からの報告にまとまっている。 その中の一つ、スイスの研究チームによる数理疫学的な研究では、新型コロナウイルスは大量の二次感染を起こす少数の人と二次感染を起こさない多数の人に分かれ(dispersion parameter (k)が小さい)、インフルエンザとは異なる伝播様式なのではないかとしている。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene & Tropical Medicine; LSHTM)の研究チームは、R₀が1.4-12、kが0.04-0.2(95%信

    ドイツのコロナ対策班がクラスター対策の重要性を訴え始めた|ショーンKY
  • なぜ日本はまあまあ防疫できているのか(私的仮説まとめ)|ショーンKY

    もう一つ注目しておきたいのは、感染力のピークが発症直前の無症候の段階で訪れるという推定である。このHeらの研究では、発症前に感染が起きた割合は44% (95%信頼区間25–69%) に達するとしている。 そもそも病院に訪れないであろう無症候者・軽症者が大量におり、その上病院に行く者ですら感染の半分は病院に行く前に終わっているのだとすれば、陽性者を隔離するというストラテジーだけでは感染拡大を防げないことになる。PCR検査の1回の感度が7割程度という過去の知見(例1、例2、例3)と合わせれば、「病院に来た感冒症状患者全員にPCR検査し、陽性者を隔離する」という戦略で防げる感染は甘く見ても3割程度、厳しめに見れば1~2割程度となり、大半の感染を素通ししてしまうことになる。 あえて検査→隔離戦略一で解決しようとするならば、発症前でも検出できるよう、PCR検査とは全く違うレベルの検査――皆が毎朝自

    なぜ日本はまあまあ防疫できているのか(私的仮説まとめ)|ショーンKY
  • 韓国の感染症対策をどこまで真似できるか|ショーンKY

    新型コロナウイルス感染症COVID-19についての情報をお求めの方は、厚生労働省の情報ページか専門家の情報をフォローしてください。私は専門家を紹介する立場にはありませんが、例えば以下の方などが穏当かと思います。 ・新型コロナクラスター対策専門家(@ClusterJapan) ・押谷 仁(東北大学) ・高山義浩(huffpost記事一覧) ・今村顕史(@imamura_kansen) ・岸田直樹(@kiccy7777) ・坂史衣(@SakamotoFumie) 筆者は医療や行政法の専門家ではありません。単なる素人の感想なので医療情報としての信頼は置かないでください。基的に自分が納得するためだけに書いたものであり、他者を納得させるために書いたものではありません。 私がよくお話しさせて頂いている臨床医のdispossessed22さんが、このたびネット越し・通訳越しではあるが韓国の医師にイン

    韓国の感染症対策をどこまで真似できるか|ショーンKY
  • ハリウッドは女性のリーダーを描けない?|ショーンKY

    筆者のTLには、数年前から「強い女性キャラクターは利己的なものとして描かれる、一方強い男性キャラクターは利他的なものとして描かれる。これは特にアメリカ産のコンテンツで強い傾向である」という言説が流れていた。 筆者としては「さすがに偏見では?」と思いながらこの意見を見ており、反例を挙げようとしていたのだが(私自身があまりドラマや漫画を見ないので基的に他者の評論を聞くしかないのだが)、この傾向の反例が上手く出せないという引っ掛かりがあった。実際、その主張に沿う例のほうが先に思いついてしまうのである。 例えば、ごく最近「アメリカ発コンテンツは女性キャラを強いものとして描けている」と称賛されていた典型に「アナ雪」のエルサがいるが、彼女は強さの表現として孤独になる過程が描かれる。「キャプテン・マーベル」なども自己形成が主題でリーダー的姿の評論は少ない。他には「プラダを着た悪魔」のミランダなどがこの

    ハリウッドは女性のリーダーを描けない?|ショーンKY
  • 「強者ジェンダー」の認識の齟齬|ショーンKY

    ここ数年、「“草系男子”のホモソーシャルな絆」が気にかかっている。 あからさまな女性蔑視はない。暴力もない。だが「男同士でつるんでる方がラク」な彼らにジェンダー強者である自覚はなく、社会を変えようとももちろん考えない。 — 前川直哉 (@maekawa_naoya) November 26, 2019 このツイートに対して「草系男子」の側から多くのクソリプが向けられているが、その多くが「ジェンダー強者」という認識に対する疑問である。元のツイートからすると暴力、性暴力、夫婦関係などで「ジェンダー強者」でないのは明らかであるが、それ以外となると所得や地位が代表的だろうか。 事実として日には所得や地位の面でジェンダーギャップがあるので、元のツイートの「ジェンダー強者」観は、「草系男子」も男性であるというだけで所得や地位が高いという既得権に与っていることを認識せよという主張と解して大きな問

    「強者ジェンダー」の認識の齟齬|ショーンKY
  • 「育休世代のジレンマ」再読|ショーンKY

    最近女性の社会参画や、そのための配偶者選択について、twitter上で意見を集めたり、togetterにまとめて感想を募っていたりしたが、どうしても文を読まずにコメントする人や端から喧嘩腰の人がいて限界を感じたため、女性が女性にインタビューしたものをまとめた中野円佳「『育休世代』のジレンマ」, 2014を再読し、女性の考え方というのをもう少し深く確認した。 空気のごとく当たり前の前提条件である上昇婚 このの終わりのほうでは提言が並べられているが、その中の筆頭は男性の育児参加を増やしていくことである。言いたいことは分かるのだが、ただ、それまでの議論で「なぜ主夫を配偶者に選ばないのか?」という疑問に対して検討を加え、無理と却下してしまっている。 書で筆者はインタビュー対象女性の配偶者選択を以下のようにまとめている。 ・同級生や同僚との恋愛結婚が多く、出来婚も多い(4章2の1) ・だが、調

    「育休世代のジレンマ」再読|ショーンKY
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