清水晶子の講演「学問の自由とキャンセル・カルチャー」が話題になっています(書き起こしはこちら)。この講演については、キャンセル・カルチャーを擁護するという講演の主旨に対してだけでなく、主張の背景にある清水の「学問の自由」への理解も批判にさらされているようです。その際、ミルの『自由論』に代表される「学問の自由」への古典的な擁護を引き合いに出すものもあれば、日本国憲法第23条に対する学説・判例上の解釈を引き合いに出すものもあるようです。清水は、講演の中で、ポリティカル・コレクトネスやキャンセル・カルチャーを批判する際に引き合いに出される「学問の自由」は、「日本国憲法で保障された『学問の自由』とはかなりかけ離れたもの」だとしています。清水の「学問の自由」に対する理解は妥当なものなのでしょうか。 この記事では、清水が講演の中で行っている「学問の自由」の定義を検討していきたいと思います。その際、憲法