日本の学校における英語教育は、「実務の役に立たない」と批判されがちだ。だが、英語、ロシア語はもちろんのこと、ドイツ語、ギリシャ語までも使いこなす、作家で元外務相主任分析官の佐藤優氏は、意外なことに「学校英語の内容」を学び直せと勧める。その理由と具体的方法とは。 * * * 大多数の日本人は中学と高校で6年間英語を勉強している。しかし、その内容を十分に理解していないので英語が苦手なのである。 「学校英語は実務の役に立たない」ということがよく言われるが、これは間違いだ。高校レベルの英語を完璧に習得していれば、英語圏諸国で日常生活には支障がない。さらに5000語程度の抽象的な単語を記憶すれば、大学の授業にも十分ついていくことができる。学校英語の内容は国際基準で見ても十分に良くできている。 しかし、それを生徒が消化できない教育システムに問題がある。それは中学英語の内容が易しすぎるために、そ