妖怪割り勘おじさん 僕が新人の頃だった。 僕より20歳以上年上の課長的な方が、 「チームの雰囲気作りには飲み会が大事だ。 今日は飲みに行くぞ」 と言い始めたのがきっかけで、急遽飲みに行くことになった。 だいたい5、6人が集まっただろうか。 僕はチーム唯一の新人だったので、飲み会のお店の手配から店への案内、メンバーの招待からご案内まで全ての雑務をこなした。 飲み会の雑用は新人の勤めである。 飲みの場では偉い人が退屈しないように目を輝かせて話を聞き、スマホをいじるなんて絶対にしてはいけない。 お酒が切れそうになったら目ざとく注ぎに行き、キャバ嬢のように周りの人を気持ちよくするために動き回っていた。 そのチームでは、会計は一旦新人が全て払い、翌日皆さんに請求するのが基本ルールとなっていた。 僕は手に入れたばかりのクレジットカードで会計を済ませ、翌日少し疲れた顔で出社した。 すると。 飲みに行こう