太平の眠りを覚ます密漁船—北京APECの直前に中国から押し寄せた物騒な船団は何を意味するのか。サンゴ資源を蹂躙する中国人の深層心理に迫った。中国のアコギな要求は日中首脳会談にも及んだ。 「サンゴ成金」が続出 「中華民族の偉大なる復興という『中国夢』(チャイニーズ・ドリーム)を実現するのだ!」 11月10日、11日に北京で、APEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開催される。安倍晋三首相、オバマ大統領、プーチン大統領、朴槿恵大統領……。21ヵ国・地域の指導者が、北京に一堂に会して行われる、中国の今年最大の国際イベントだ。 ホスト役の習近平主席は、APEC開催前から連日、政権のスローガンである冒頭のような「中国夢」を連発して、国民を鼓舞してきた。 だが、中国でいま話題を呼んでいるのは、習近平主席が唱える「中華民族の偉大なる復興という中国夢」ではなくて、別の夢だ。北京在住ジャーナリストの李