東京都府中市の税理士、金成祐行(かなり・ゆうこう)さん(54)の自宅を訪ねると、広い2階建ての住宅の4分の1ほどのスペースが、メゾネットタイプのワンルームマンションに改築されていた。ここは長男の晋作さん(24)のための部屋だ。晋作さんは全国に約8000人いる強度行動障害の当事者の1人。特別支援学校を卒業後、3カ所の福祉施設に通所したが、いずれも退所を余儀なくされた。パニックになると、暴れてしまうことがある。社会から排除され、「自助」に追い込まれた家族介護は凄絶(せいぜつ)だった。【生野由佳/統合デジタル取材センター】 奇声を上げながら電子レンジを何度もたたき、食器を投げつけ、壁を蹴ってへこませる……。自室でパニックを起こした晋作さんの動画だ。金成さんが実態をあえて知ってほしいとフェイスブック(FB)の強度行動障害を考えるグループに投稿した。母親は体格差のある息子を制御しようとするがままなら