葉を揺するのが風だと知ったときから 花が向かっていくのが陽の光だと気付いたときから 誰も何も一人きりでは生きていないとわかった 上りかけの階段の途中でわたしに世界を教えてくれたのは 他の何でもない世界だった わたしの恋人は手を握って話を聴いてくれる 一緒にお風呂に入ったら背中をこしこしと洗ってくれる 細い体に長いドレッドヘアーとたっぷり蓄えた髭 手首から肘にかけて入っている森のタトゥー わたしにないものをたくさんもっている人 自分のしたいことを哲学や信念をもってやっている人を どうしてもわたしは好きになってしまう。 何とも言えない親密さを覚えてしまう。 わたしは恋人の謙虚なところも好いている。 きみの生活を知りたいの わたしの生き様を見てて欲しいの 欲を言えば生きるのに積極的でないわたしの 手をとって共に生きていってほしい わたしはきみに優しくしたい。 それはきみがわたしに優しいからなのだ