2017年の1月。倉敷の病院に入院していた危口さんのお見舞いに行った。 危口さんというのは、「悪魔のしるし」主宰の危口統之さんのこと。どんな活動をしていたのかは、「悪魔のしるし」とか「搬入プロジェクト」とか「歌舞伎町百人斬り」とかで検索してみるとなんとなくわかると思う。前年の11月に、ステージ4の肺腺がんであることを公表して、治療のために故郷の倉敷の病院で療養を続けていたのだった。そのへんの経緯や心境などは、本人がつづったブログ「疒日記(やまいだれにっき)」に詳しい。 俺が1月に「なむはむだはむ」という公演の取材で、城崎温泉の城崎国際アートセンターに行くことになったので、その取材帰りに倉敷に行ってみようと思ったのである。がんを公表した直後、お見舞いに行きたい旨のメールが殺到して、がんでしんどいところにいちいちそれに対応しなければならないのしんどい、みたいな日記を読んでいたので、ちょっとため