五輪取材で推奨 看護師「体質で個人差」 打った瞬間、強い痛みがきた。左腕の筋肉が裂かれるような感覚に思わず奥歯をかんだ。厚生労働省が「一般的に痛みが強い注射ではない」と説明する新型コロナウイルスのワクチン。個人差があるとは聞いていたが、こんなにも痛いとは思わなかった。今夏の東京五輪取材を担当する北陸中日新聞の四十代記者が、東京都内で一回目を打った。 (前口憲幸) 高齢者でも医療従事者でもないが、順番がきた。国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会は「アスリートに接触する可能性があるメディア」に接種を推奨する。二十一日、中日新聞東京本社で米モデルナ製を打った。 皮下組織の奥に針が届く筋肉注射は「痛くない」とされる。厚労省によると「皮膚に比べ、筋肉には痛みを感じる神経が少ない。皮下注射よりも痛みが強くない」からだ。そう聞いていたから、リラックスして臨んだ。三角筋に注射針が垂直に深く入っ