新型コロナウイルスの治療薬候補に効果があるかどうかを臨床試験(治験)で確かめるには、発症から間もないタイミングでの投与が鍵になるとする研究結果を、名古屋大の岩見真吾教授らのチームがまとめた。米インディアナ大の江島啓介助教らと開発した「バーチャル(仮想)治験」のシステムを使い、早期投与なら数百人と少ない被験者数で実施できることを確認した。従来のコロナ薬の治験では投与時期が遅すぎて薬の効果が見えなくなっているケースもありそうだ。 ▽分かれる評価 岩見さんは「人によって大きく異なる体内のウイルス増殖の度合いが薬の治験を難しくしている」と指摘する。 米国で初期に使用許可されたのが抗ウイルス薬の「レムデシビル」。エボラ出血熱の薬として開発され、細胞内でウイルスが増殖するのを抑える働きがある。日本でも特例承認されて医療現場で使われている。 ただ治験結果の評価は分かれる。米国立衛生研究所(NIH)などは