「肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症)」という病気をご存じだろうか。 抗酸菌という結核と同じタイプの細菌が原因で起こる呼吸器の感染症だ。ヒトからヒトにうつらない点では結核と異なるが、土の中や水回りなどに生息する菌を吸い込むことで感染する。 これまでは肺の病気を患っている人がかかりやすいと考えられていたが、近年は、“健康なやせ型の中高年女性”に急増しているという。これはどういうことだろうか。 肺非結核性抗酸菌は、“結核菌”と“らい菌”を除いた抗酸菌の総称。抗酸菌の種類は200以上あるが、日本人で起こっている感染のうち、9割を占めるのが「MAC(マック)菌」と呼ばれる菌だ。近年急増しているのも、このMAC菌によるものが多い。 MAC菌は風呂場や水道、貯水槽などの給水システム、畑や庭の土など、あらゆる場所に存在していて、それを含んだエアロゾルやほこりを吸い込むことで感染する。その点では、ヒトからヒト
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