我々の時間についての遠近感は、時としてとんでもなく歪むが、それに気付く機会があまりない。 だから、何か一つの事項について年表をつくると、背筋が伸びるかのように、縮んでいた時間感覚を修正できる。 自分の経験だと、自分が生まれる前の、近現代あたりが、かなりアバウトにいっしょくたにされていることが多い。サルトルの『嘔吐』がベストセラーになるのはもっとずっと後のように思っていたが、実際は1946年である。 これは周りに質問してみるといい。世代によっては「70年代あたり」に「サルトルがブームだった」となってたりするので、自分と違う世代の人と質問し合うとおもしろい。 ベストセラーの悪口をいうにしても、ファクトを整理しといた方がいいと思って作った私物くさいリストであるが、いろいろツッコミどころや「発見」のしどころがあると思うので公開してみる。 現在に近づくほど、これまた私見だが、ベストセラーと
こんにちは。 11月20日に、ちょっと変わった本、というか、変わった本にしたのはわたしの責任なのですが、紹介をさせていただきたいと思います。 超★ライフハック聖典 〜 迷えるアダルトのための最終☆自己啓発バイブル 作者: ココロ社出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2009/11/19メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 762回この商品を含むブログ (21件) を見るタイトルを見ておわかりかと思いますが、宗教書みたいな自己啓発書(≒男の子みたいな女の子)を出します。160ページ以上にわたって、ちょっと頭のおかしなオッサンが、ただひたすらと珍妙な自説を唱えるだけの本です。こんなの本当に出していいんだろうか… あまりにも自己啓発がすぎて、反・自己啓発に読めてしまうかもしれませんが、それはこのブログのヘビーユーザーの清水国昭さんなみなさまからしてみれば、いつものことな
最近、僕のところに「夏目漱石財団」なるものを設立したので協力してくれとの手紙が届いた。一部の親族が関わっているらしいが、僕の連絡した親族たちは困惑し、いささかうんざりしている。放置しておくと混乱も予想されるので、急きょ相談の上以下のような文書を報道機関、出版社、博物館などに送付した。各方面に周知し、良識的な判断を望みたい。 2009.7.12 夏目房之介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ みなさま いつもお世話になっております。 このたびは、漱石長男純一の息子・夏目房之介として、夏目漱石に関連することでお知らせがございます。 本年6月17日付で私のもとに「夏目漱石財団」設立の知らせ及び協力要請の手紙と、一般財団登記の事項説明書コピーが送られてきました(同様のものが漱石長女筆子の娘・半藤末利子宛にも送付)。それによると設立は本年4月1日。 同財団の
黒肌系ギャル雑誌「nuts」の増刊ムックとして登場し、今ではギャル系ファッション誌として確固たる地位まで上り詰めた「小悪魔ageha」。「今よりもっとかわいくなりたい美人GALのための魔性&欲望BOOK」というキャッチコピーを掲げ、「もっときれいになりたい!」「もっとお金持ちになりたい!」「もっと幸せになりたい!」という女性の気持ちを見事につかみ取り、出版不況と呼ばれる中でも急激に売り上げを伸ばし、ある意味で今の時代を象徴する雑誌の一つとなっています。また、小悪魔agehaに登場するモデルのことを「ageモ」または「age嬢」と呼び、ageモやage嬢のようなファッションをしている女性は「ageha系」と呼ばれ、これもまた10代~20代の女性たちに広く浸透し、あこがれている女性たちも数多くいるようです。 しかしながら小悪魔agehaはその非常に華やかできらびやかな見かけとは裏腹に、心の中の
またまたものすごい本を買ってしまった……。 [rakuten:book:11064581:detail] まあ、タイトルがすべてを表しているわけだが、アルムの山で幼少時を過ごしたハイジやペーター、クララたちのその後を描いた物語である。よく見るとタイトルに「私説」とあるんだけど、私説というか、珍説というか、お前ヨハンナ・シュピリに黙って何書いとんねん! みたいなとんでもない小説なのだ。たった100ページそこそこの薄い本でありながら、読んでいくと仰天の珍展開続出で付箋だらけになってしまった。それらをひとつずつ引用して紹介してるとキリがないので、ダイジェストで一気にいこう。ネタバレ全開でいくからそのつもりで。 まずは、歩けるようになったクララが久しぶりにアルムの山を再訪するところからはじまる。ハイジもペーターも大歓迎してくれ、三人は牧場を走り回って遊ぶ。あるとき、はしゃぎすぎたクララが崖から転落
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