■はじめに東北地方を襲った大震災の際に、人びとが冷静に行動し、商店やスーパーの略奪、窃盗、強盗などの犯罪が少なかったことを外国のメディアは驚きの目をもって報道しました。熊本大震災でも、あれだけの被害の中で、人びとは冷静に行動し、助け合い、秩序が保たれています。しかし、被災に乗じた恥ずべき犯罪行為も残念ながら起こっています。 熊本地震は「大金を手に入れるチャンスだと思った」 窃盗未遂で逮捕された男「窃盗目的で熊本に」 地震に乗じた犯罪、善意も標的に無防備の被災者を狙ったこのような卑劣な窃盗行為は、一般の窃盗よりもはるかに悪質で、犯罪性も高く、より強い非難にあたいする行為だといえます。そこで、このような行為を一般の窃盗行為に比べて〈災害時窃盗罪〉として類型化し、厳罰に処すべきであるという案が政府で検討されています。その発想じたいについては分からなくもないですが、はたしてそのような処罰規定を新た