従来の標準開発プロセスであるウオーターフォール型プロセスでは、上記のリスク管理が意識されていません。この場合、メンバーの全員がそのドメインで何度も経験があり、仕様も完全に事前に固定されていて、さらに開発で用いる技術にも手なれていてリスクがない、ということが成功の条件となります。 しかし現実には、開発プロジェクトには上記のリスクが原因となり、必ず変更が発生します。そして、無理やり仕様書や実装コードをやっつけで直すということが何回も積み重なり、それが工数の増大、品質の歪みを累積します。結果としてプロジェクトは、納期の遅れ、コストのオーバーフロー、収束しないバグといった失敗に陥るわけです。 そこで、ウオーターフォール型に対するプロセスの改良が始まりました。その結果生み出されたのがRUPです。前回の記事で説明したように、繰り返し型の開発とエンジニアリング―製造の2ステージモデルの実務的な組み合わせ