なぜ「ゲーム研究」が必要なのか? 書籍「ゲーム学の新時代」から読み解く,ゲーム研究からの人文社会科学 ライター:岡和田 晃 近年,ゲーム研究の本が注目を集めつつある。そんな折,「ゲーム学の新時代 遊戯の原理 AIの野生 拡張するリアリティ」という書籍が2019年3月にNTT出版から刊行された。 4Gamerでもおなじみの徳岡正肇氏も参加している本書は,2018年1月に明治大学で開催されたシンポジウム「ゲーム研究の新時代に向けて」の講演者を中心に,新たな執筆者を加えてまとめられた論文集だ。収録原稿は講演そのままではなく,さらに掘り下げたものになる。 このシンポジウムはそもそも,明治大学のなかに「ゲーム学」の講座を立ち上げようというキックオフイベントだった。諸外国では大学でゲーム研究やゲーム開発の講座が設けられていることも珍しくないが,日本ではまだまだ,そこまでの浸透は見せていないのだ。 4G