二酸化炭素を送り込むテント。本を納めた段ボールごと成虫や卵を駆除できる=国立国会図書館 書籍類の虫食い被害防止に、国立国会図書館が本格的に取り組んでいる。外部から持ち込まれた書籍類が虫に食われたり、虫の餌となるカビが広がったりという被害が急増。二酸化炭素ガスで虫や卵を窒息させる手法を採り入れ、効果が出ている。同図書館は国内外の他の図書館にもノウハウを提供している。 8月上旬、地下1階に用意された大型保温テントに66箱の段ボールが運びこまれた。脇に置いた6本のボンベから、濃度60%の二酸化炭素ガスが流し込まれた。 段ボールの中身は、個人や団体が所蔵していた1930〜40年代の和紙製の書籍や小冊子だ。同図書館資料保存課の中島尚子さんは「室温25度、濃度60%で2週間燻蒸(くんじょう)すると、成虫はもちろん、目に見えない卵まで駆除できます」と話す。 同図書館の書庫の大半は閉架で、これまで