フレデリック・ワイズマン監督 (撮影/荒牧耕司) ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、このほど13年ぶりに来日した。10月29日から東京を皮切りに神戸、金沢、京都、高知、山口などを巡回する大規模な特集上映“フレデリック・ワイズマンのすべて”が開催中であり、それに先立って東京国際映画祭2011では最新作『クレイジー・ホース』が上映された。米国ボストン出身のワイズマン監督は、刑務内の矯正院を描いた監督第一作『チチカット・フォーリーズ』を1967年に発表以後、44年間にわたりほぼ年に1本のペースで記録映画を製作しつづけている。ナレーション無し、インタビュー無し、音楽無し、出演者を説明するテロップや字幕無しという、極めて独自性の高いスタイルで知られる。今年81歳とは信じがたいほどエネルギッシュなワイズマン監督に新作を中心に話を聞いた。 ──今回の特集上映で日本初公開された『ボ