詩の読み方といっても、そんなものが決まっているわけではないし、決められるものでもない。読者は自由に、自分の読み方で詩を楽しめばいいのだ。だが、そう思う反面、詩の読み方に根本的な誤りがある人が多いような気が、時にしてしまう。特に一般に「難解」だといわれる詩の読み方についてだ。いかにも現代詩ふうの詩がイメージされるが、実は本当の意味で難解な詩など、どこにも存在しないと思う。その詩がひとつの作品として立派に成立している限り、難解であるはずはないし、難解になりようがない。もしそれが本当に難解なのだとしたら、それは詩として失敗しているに過ぎない。逆に作品の完成度という意味で成功している詩であるならば、難解であるはずはないのだ。だが、そうした詩を読めない、わからないと言って、投げ出してしまう人がいる。そのような人たちが「難解」な詩を読むには、いったいどのような読み方が適当であろうか。最初に書いたように