新型コロナウイルス対策と経済活動の両立が望ましく、状況に応じてブレーキとアクセルを踏み分けなければならない。しかし今回、政府がとった方針は、「二兎を追う者は一兎をも得ず」のものであり、さらに被害を広げるリスクもある。このままでは「第3波」は“永久に”収束しない──。 国がGo Toの全面停止に踏み切らなかったのは、旅行業をはじめとする経済活動に配慮したからだ。しかし、そもそも旅行者の中心を占めるのは60代だ。2015年冬季の「国土交通政策研究所報55号」によると、国内宿泊旅行数は年平均で1.39回。そのなかで最も回数が多いのが時間とお金に余裕のある60代の1.62回だった。年金暮らしの高齢者はコロナによる経済不況の影響を受けにくく、Go Toは多くのシニア旅行者で活況を呈した。 「しかも高齢者はネット予約が使えないことも多く、旅行代理店を通しての手配が多かった。実際、大手代理店の予約の半分