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経済成長とは統計的にみればGDP(国内総生産)の拡大にすぎない。今回の総選挙で安倍晋三首相が自らの政策で過去最大になったと喧伝した名目GDPの「かさ上げ疑惑」については、佐々木実氏が本誌(10月20日号)で指摘した通りだが、いくらかさ上げしてもそれだけで人々の実感する豊かさや幸福感は高まらない。経済学者の小宮隆太郎が47年前に喝破したように「そんなことは経済学の常識」(『週刊エコノミスト』1970年11月10日号)である。 だが、戦後の日本では経済学の常識を超えて、経済成長は日本経済の「シンボル」のように捉えられてきた。安倍政権が実質2%、名目3%の持続的成長を日本経済再生の目標に掲げる理由もここにある。 確かに机上の計算では成長の効果は絶大だ。名目3%で成長すれば現在約540兆円の名目GDPは10年後に約726兆円となり、税収のGDP弾性値を1と仮定しても自然増収だけで国の税収は約20兆
九九の9の段を眺めていて、ささやかな「発見」をしたことがある。一の位と十の位の数を足すと9になる。九九に限らず、9の倍数の各桁の数の合計は、必ず9になるのだ。 9,18,27,36,45,54,63,72,81,90,99,108,…… 気づいたときには驚いたが、何のことはない。 「9の倍数」とは、「9を加えた数」のこと。そして「9を加える」ことは、「10を加えて1を引く」、つまり「上の桁の数に1を加え、元の桁の数から1を引く」操作にほかならない。元の数が9から始まるから、「上の桁の数に1を加え、元の桁の数から1を引く」操作を繰り返しても各桁の合計は「9+1-1」になる。これは、9という数が、桁上がりする一つ手前の数という性質を持つから。2進数なら1、16進数ならF、n進数ならn-1に割り当てられた数が相当する。 一方、たまたま数え方が10進数だから、9の性質がそうなっているとも言える。な
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