「特集=ジル・ドゥルーズ」 ドゥルーズのどこが間違っているか? 強度=差異、および二重のセリーの理論の問題点 ドゥルーズの理論は、基本的に一元論的、スピノザ主義的なものであり、起源そのものに差異を措定することで、(自己同一的な本質‐起源とその写しからなる)プラトン的な伝統的二元論と対立している。この起源的‐本源的な差異とは、いわば即自的な差異であり、その内部では、常に自己自身からの離脱と移動、自己廃棄と自己産出がくり返される。この即自的差異は、潜在的、ないし質量的なものだが、そこでの絶えざる移動と置き換えにより、実在的‐象徴的な、現実世界内部での諸差異が構成され、つまりこの起源的な差異とは、単に産出する基体である以上に、それ自体、産出されるものと重なり合う、一つの分節的な場でもある。このカオス=コスモスとしての、一元論的な自己産出的力能は、七〇年代には器官なき身体という概念系に収斂され、そ