☞カントールという数学者と無限 カントールは集合論の創始者であって、はじめて「無限」という概念に真正面から向き合った人物である。ただしこれは危険なことで、事実彼は晩年精神を病んでいた*1。 現実世界において無限であるものなど存在するだろうか。この世界はどこもかしこも有限のものによって構成されているとすれば、無限を真面目に考えるのは人間の許容量を超えているのかもしれない。 あの大数学者ガウスも、意識的に無限と向き合うのを避けていた。ガウス彼自身に関しても、早くから「虚数」という概念を獲得していた(二乗して負になる数)が、世間に公表するのをためらっていた。というのも、それがあまりにも先進的過ぎ、またそれゆえに世間の人々から「狂気じみている」と思われるのを懸念したのだ。革新的なアイデアというものはときに世間の反感を買う。それゆえに慎重に扱われねばならない。 ガウスには面白い逸話が数多くある。彼が