治療法が間違い? 予防という側面で遅れをとっているだけでなく、日本の治療現場における構造の問題もあるという。 「日本では、『がんの医者』といえば外科医が主流です。がんと診断されたらまず外科に行く。ですが欧米では、外科医と放射線科医、抗がん剤を専門とする腫瘍内科医の3者が、その患者にとってベストな治療法を話し合うというのが基本です。 多くのがんでは、手術と放射線治療の治癒率は同じというデータも出ていますが、日本人には『がんは手術で治すもの』という先入観がある。がんを取り残す可能性があると分かっていても、まず手術が選択されることも多い。日本での放射線治療の割合は約25%ですが、アメリカでは60%程度。日本は圧倒的に少ないのです」(中川医師) 手術の場合、放射線治療と比較して患者の身体への負担は大きい。合併症を引き起こして死に至るリスクは圧倒的に高いだろう。にもかかわらず、日本の「手術信仰」が強