イタリアのゴールマウスに毅然と立つ守護神ブッフォンは、もう見られない。 ロシアW杯欧州予選プレーオフで、イタリア代表はスウェーデンに敗れ、予選敗退が決まった。4度の優勝を誇るアズーリが本大会出場を逃すのは1958年大会の予選以来、60年ぶりのことだ。 「俺たちは敗北した。こんな形で代表を去るなんて、本当に悲しい」 試合後、主将ブッフォンの目は真っ赤だった。 歴代最多出場記録を更新し続けてきた代表での175試合目を終えた彼は、ロシア行きを逃せばその時点で代表最後の試合になることを知っていた。涙と嗚咽を抑えきれなかった。 2017年11月13日。イタリア・サッカーの1つの時代が、終わった。 3日前、ストックホルムでのプレーオフ初戦に0-1で敗れたイタリアは、カルチョの殿堂サン・シーロでスウェーデンを迎え撃った。逆転突破には2点差以上での勝利が条件だった。 7万2千人がトリコロールで埋めたスタジ