筆者は企業の課長という立場で日々システム企画やプロジェクトマネジメントを企画、立案、監督している実務家である。同時に現場の実践的教育研究を、10年以上にわたって行なっている。 現場での仕事は複雑であり、同じような仕事に見えても、詳細に見てみると「どれひとつとして、以前と全く同じ状況になることはない」と言えるだろう。同じように見える仕事でも、以前と今回では、多くのことが異なっているはずだ。 多くのことが異なっている大きな理由のひとつが、「仕事の遂行には、人間が介在している」ということがある。コンピュータでプログラムを実行すると、どのコンピュータで実行しても基本的に同じプロセスを正確に繰り返す。 しかし、人間の場合はそうはいかない。同じ仕事でも、実施する人の知識、経験、意欲、感情などに左右され、同じ結果になるとは限らない。人は計算ミスや判断ミスをすることがあるからである。 この傾向は、人がより