マーケティング従事者にカスタマージャーニーマップ(CJM)の重要性を問う必要はないでしょう。では、その有効性はどうでしょうか? アメリカの調査でも、CJMが収益成長に貢献していると答えたマーケターはわずか5%に留まりました。CJMは何故成果を出せないのでしょうか? ーー荻野英希氏による寄稿コラム。 本記事は、WPPグループ最大のデジタルエージェンシー、VMLの日本法人の代表と、株式会社FICCの代表取締役を兼務する、荻野英希氏による寄稿コラムとなります。 ◆ ◆ ◆ カスタマージャーニーマップ(CJM)は、無形のサービスをデザインするために、IDEO社が1990年に開発したフレームワークです。サービスに関わる一連の顧客体験(CX)を可視化し、改善箇所を特定するその手法は、マーケティングコミュニケーションの設計と管理にも応用されています。情報過多な現代の生活者に、さまざまなメディアで一貫性の