「音楽の未来を奪うチケット高額転売に反対します」――8月下旬、音楽関連4団体による声明が全国紙などに掲載され、話題になった。ライブチケットを買い占め、価格を釣り上げて転売する“ダフ”行為を批判する内容で、嵐やMr.Childrenなど100組以上の著名な邦楽アーティストが賛同者に名を連ねた。 「今更じゃないか?」。音楽業界に詳しいジャーナリストの津田大介さんは、声明を見てこう感じたという。チケットをネットで高額転売する「ネットダフ屋」の問題が浮上したのは10年以上前。海外ではさまざまな対策が試みられており、一定の成果を上げている中、「日本の音楽業界はほとんど対策をせずに手をこまねいてきた」と指摘する。 ネットダフ屋問題の本質はどこにあり、どのような対策が可能なのか――。津田さんと、エンターテインメント業界に詳しい弁護士の福井健策さんが話し合った。
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