僕のあだ名は、イエスマン。 争うことが嫌いで、出来る限りみんなに同調し、自分の意見を言わないように生きてきた。 だってさ、誰かが傷ついたり、泣いたり、悲しんだりするのを見るのが嫌なんだ。 そんなお人好しな性格も災いして、僕の恋はいつも片想い止まり。 それでも、人は恋をしてしまう。 この4年間の僕の大学生活に彩りを添えてくれる人がいたのだ。 彼女はイマドキの女子大生とは違って、奥ゆかしい雰囲気を纏っていた。 階段教室の後ろの席から彼女のことを眺めてるだけで幸せだった僕にとって、3回生で彼女が同じゼミに姿を現した時には息が止まるかと思った。 グループ研究を経て、少しずつ距離が縮まり、彼女からは「ずっと昔から知ってる感じがして、あなたといると、凄く居心地がいいんだぁ」とさえ言われるようになった。 女神からの全幅の信頼を勝ち取った僕は、今まで歩んできた人生で、今が一番最高の瞬間だった。 そんなある