ピザの日(おれ制定。毎月22日前後)だったので、おれはピザのMサイズを一枚注文した。 だいたい予定通りの時刻に、ドアをノックする音がした。 「はーい」 おれはドアを開けた。ピザ屋の配達人が立っていた。が、ピザの箱を入れる容器の上にたくさんの何かを載せていた。はて、ウーバーイーツでもあるまい、別の人の注文を持っているわけでもないだろう。なんだろうと思うと。 「いま、キウイをお配りしているんです。どうぞ」 と、手渡されたビニール袋にはキウイが二個入っていた。それをまず二袋渡された。 「あ、どうもありがとうざいます」 すると、さらに二袋渡してくる。おれは思わず受け取る。そしてさらに三袋渡してくる。 「ええ? こんなに」 「ええ、ええ、いいんです。どうぞ、どうぞ」。 配達人にはなんらかの気迫があった。ノルマをこなさねばという感じだ。「一人では食べきれませんので」と断ることはできなかった。 そしてお