戦争の混乱などでフィリピンに取り残されたいわゆる「残留日本人」の70歳の男性が日本国籍を取得した結果、フィリピン政府から生後70年間を不法滞在とみなされて出国できなくなり、男性は記者会見を開いて「日本訪問は長年の夢です」と述べ、決定の見直しを訴えました。 記者会見を開いたのはフィリピン南部、ミンダナオ島に住む日本人男性の新ビエンベニドトシオさん(70)です。 新さんは戦前ミンダナオ島に移住した日本人の父親のもとに生まれ、戦争の混乱で父親が行方不明になって取り残された、いわゆる残留日本人で、ことし3月、日本の国籍を取得したところ、フィリピンの入国管理局から生後70年間を外国人として不法滞在していたとみなされ、多額の罰金の支払いを求められたということです。 新さんはフィリピン政府の決定について「悲しい」と述べたうえで「父親の故郷を訪ねるのは日本人として生まれた私の長い間の夢です」と訴えました。