ロシア・シベリアの小都市の市長選で、選挙運動をほとんどしていない主婦が、圧勝するはずだったプーチン政権与党の候補を破る「事件」が起きた。有力な野党候補が選挙から排除されたことに、市民の怒りが表れたとの見方が多い。 舞台は、人口約8万人のウスチイリムスクで、現職の辞職に伴って3月下旬にあった市長選。当選したのは、野党自由民主党から立候補したアンナ・シェキナさん(28)だ。得票率は約44%で、政権与党統一ロシアから出馬した市議会議長を約6ポイント上回った。 地元紙によると、シェキナさんは大学を中退し、6歳の息子を育てるシングルマザー。自由民主党の地元支部代表だが、定職には就いていない。肩書は主婦だ。「党の義務で仕方なく出馬した」と選挙戦のさなかにSNSで明かし、当初は選挙運動もほとんどしていなかった。 経済の低迷や年金の受給開始…