学力の経済学 『ゲームは子どもに悪影響?」「子どもはほめて育てるべき?」「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」思い込みで語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!』という宣伝文句でベストセラーになっているという本.この著者の考えが教育政策に影響すると危険なので,以下で批判的に検証してみたいと思います. まず,「エビデンスの基づく科学的な」ということを標榜していますが,教育政策に関して「エビデンスがなく,個人的体験をもとに決めている」ということについて,エビデンスに基づいて検証していません.どこかの党の非公式ミーティングとかは別にして,21世紀になってからの教育政策はデータに基づくようになっています.本書で引用されている文科省の学力テストは,本来,教育行政用のデータをとるためのもののはずです.あとがきで,教育現場で嫌われた体験談が書いてありますが,エビデンスに基づかずに,「あな