どうしてこんなにも沢山の自己啓発本が出版されているのだろう。 僕は書店に行くといつも思う。 嫌いではない。むしろ、立ち止まってぱらぱらと読んでしまう。 それは、多分、自分自身に自信が無いからだと思う。 とはいえ、中学、高校生の頃と比べれば、ずいぶんそういったものに振り回されなくなった。 「自分に自信が無い(自分のここが嫌いだ、あそこがダメだというようなものも含め)」を考えている時間は、とても不毛でもったいないということに気づいたから。 でも、この本を読んで、学生のときの気持ちを思い出した。 いや、思い出したというよりも、すぐそこに放っておいただけの気持ちを 改めて見つめたという感覚に近い。 ダメ人間の魅力 この小説に出てくる人物は、そのほとんどが、いわゆるダメ人間である。 でも、だからこそ、この小説は素晴らしい。 生き生きと常に前向きに生きている人間なんて、この世界に本当にいるだろうか。