殺したくてやってるんじゃない 「お母さんのほうは別の実行犯に制圧されていたのですが、お父さんの『大丈夫か』という呼びかけに『大丈夫よ』と答えていました。金庫の前に連れて行くとお父さんは『これ以上、かかと息子に手を出さんでくれ。息子が死んだら強盗殺人罪だぞ』と言いましたが私も『わかってる。こっちも殺したくてやってるんじゃない』と言いました……」 永田被告はこう法廷で証言しながら泣きだした。当時、うまく金庫を開けられない父親を別の実行役が殴ろうとしたが〈テメー、俺の指示なしで勝手にやってんじゃねえぞ。次何かやったらブッ殺すからな〉と告げ、これを静止したともいう。その後父親は金庫の扉を開け、中の200万円を実行役の1人に渡した。 「金庫の中の金は大事な金でしたが、一刻も早く息子を病院に連れて行かなければと思い、抵抗する気はなく、そのまま渡した。すると男たちは一瞬のうちにザザッと走って逃げて行きま