■近鉄、オムロン、阪大、阪急にマイケルストーン賞 通勤客で混雑する阪急・梅田駅(大阪市北区)では1日約50万人が乗降し、計89台の自動改札機がフル稼働する。昭和42(1967)年、高度成長期の日本で実用化された自動改札機。以降、駅員がキップを切るハサミの音はいつの間にか姿を消した。現在、全国で2万数千台が普及し、メードインジャパンの改札機は中東ドバイのモノレール、北京の地下鉄など海を越えて活躍する。 改札機誕生のきっかけはラッシュ時の混雑解消だった。沿線では郊外住宅が開発され、利用客が増加していた。改札口には人が詰まり、ホームは人であふれ、転倒事故などけが人も出かねない。改札を自動化できないか。 37年、近畿日本鉄道(近鉄)が鉄道運営全般の向上を目的に「近畿車輌株式会社技術研究所」を設立していた。「世界にないものを作れ!」。当時の社長、佐伯勇(故人)も発破をかけた。自動改札機は真っ先に取り